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Dual Life ~ 行き来する暮らし

Dual Life ~ 行き来する暮らし

第5話 キラッと生きる

【 第5話 キラッと生きる 】

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 肝っ玉は小さい。自分に甘く他人に厳しい。
 運動オンチで方向オンチ。

 人の成功を妬み、自分の失敗に落ち込む。
 プライドは高いが足は短い。

 あぁ~もうそのへんで勘弁して下さい~。

 自分の嫌なところ、数え出したらきりがない。

 今までは、それを隠す為に会社のバッチや
 ブランド服の虚光が必要だった。
 でももうそんなものいらない!

 そんなつまらんことに
 人生のパワーを費やすなんてもったいないよ。
 そう、大切なのは私自身の輝きなんだ。


 まだ成すべき事は具体的に見えてこないけど
 何したから偉いとか、優れてるとか関係ない。

 輝き方は人それぞれ、色んな方法があるけど
 それぞれが、自分にしかない光りを磨き
 精一杯輝こうとする事こそ素晴らしいんだ!

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 ワタシノカガヤキ?

 私は弱い人間だ。

 でもだからこそそんな人の気持ちがわかる。
 やさしくなれる。

 自然が好き、海が好き。
 へたっぴだけど波乗りが好き。
 だから環境を守りたい気持ちは人一倍だ。

 そうなんだ、特技や難しい
 知識だけが人を輝かせるんじゃない。

 好きだという気持ち
 そして弱さまでもが輝きなんだ。


 うぉ~!そんなことを考えていたら
 いても立ってもいられなくなった。
 こんなとこで入院してる場合じゃない。

 太い注射とは、もうおさらばだ。


 そう思って3週間で病院を退院したものの
 その後は妻に大変な負担をかけることになる。

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 立てない私を車で連れて
 いろんな治療を受けにいってくれた。

 整体、骨盤矯正、気功、ヒーリング
 治るんなら、何でも良いと思った。


 どの先生も一生懸命治療して下さった。
 そして妻もそれ以上に介護してくれた。

 足ツボがいいと聞けば
 毎晩マッサージをしてくれ

 ままならぬ歩行の練習に
 公園に付添ってくれた。

 家事と仕事で大変だったろうと思う。
 心の底から治りたいと思った。 

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 そして3ヶ月、完全ではないものの
 体調は会社に行けるまで回復してくれた。

 でもその時には、私の心は職場復帰ではなく
 新たな道へ向かっていた。


 銀行を辞めよう!


 いろんな先生や妻がしてくれたように
 何かの理由で輝きを失った人の
 手助けがしたい。

 病だけでなく
 地球の全てを癒す人間になりたい。

 同じ倒れるほど働くのなら
 魂の輝く仕事で倒れたい。


 そう心を決めた瞬間から
 何かに導かれるように運命が転がり出した。

 鍼灸の学校を紹介してくれる人が現れたり
 会社を辞めて治療の仕事をしている先輩に
 偶然お会いする事も出来た。


 もちろん会社を辞めるにあたって
 不安も葛藤もあった。

 このまま会社にしがみ付いた方が
 将来の不安もなく暮らせるのでは?

 もう一度体調が悪くなれば
 今度は誰も助けてくれないぞ……。
 色んな思いが交錯した。


 妻にそんな気持ちを相談すると
 「やってみようよ。一緒にガンバロ!」
 と明るい答えが返ってきた。

 勇気が湧いた。

 やれることはやり尽くしたじゃないか。


 おっかなびっくりだけど、胸を張って
 大きく息を吸って、第一歩を踏み出した。
 するとそこには新しい道が開けてきた。

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 ~この度、野見山君は都合により当行を退職し
 鍼灸を学ぶ為学校に通うことになりました。
 長い間本当にご苦労様でした~

 仲間から花束をもらい会社のバッチを外したら
 涙がポロポロ溢れてきた。

 これから全ての選択は
 自分にかかっているんだ。

 身の引き締まる思いがした。


 注射が大嫌いなのに鍼灸を学ぼうと思ったのは
 宇宙も地球も体も全てに共通する癒し
 東洋医学を学びたかったから。

 いろんなことを思いっきり学べるというのは
 こんなに楽しいことだったのかと
 今更ながら痛感した。

 接骨院のアルバイトで治療を学びつつ
 有機農業のお手伝いや
 地球環境の勉強をした。
 
 学べば学ぶほど
 体や地球の仕組の絶妙さにワクワクした。

 ホリスティックな治療を
 もっと学びたいと思った。
 それがやすらぎの里なのだ。

 全てがつながって今の私がいる。

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 2002年11月:伊豆白浜海岸

 北風が少し冷たいけど、波しぶきの向こうに
 虹が見える。透き通る海、輝く太陽。
 沖からゆっくりとしたうねりがやってきた。

 サーフィンも人生も
 二度と同じ波には出会えないから
 今この瞬間を大切にしたい。

 胸を張って、大きく息を吸い込んで
 さぁ、新しい波へ向かってテイクオフだ! 

 (完)
 
・・・・・・・


 この文章は前職の「やすらぎの里」で
 コラムとして書いていたものです。

 その後、そこで様々な学びと
 多くのパワーをいただいた後
 自分達の理想の施設を作ろうと
 一歩を踏み出すことになりました。


 今回のスタートにあたり、やすらぎの里の
 大沢先生からこんな言葉をいただきました。

 何かを始めようと思ったら
 その場で考えるよりまず走り出しなさい。
 走りながら考えるのです。と。


 私たちはのろまなので、歩きながらだけど
 とにかく新たな一歩を踏み出しました。
 どうぞこれからも、暖かく見守って下さい。

 最後まで読んで下さりありがとうございます。



 3年後、やすらぎの里を独立する時書いた文章

 私には夢がある

 ・・・・・・

「伊豆に移住するまで」

 第1話 → 「いまあなたは幸せですか?」

 第2話 → 「バブルの中へ」

 第3話 → 「崩壊」

 第4話 → 「事を成す」

 第5話 → 「キラッと生きる」

 コラム → 「私には夢がある」

 公式HP Body curiosity


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